AI説明会と録画動画はどう使い分ける?応募者に伝えたい内容から考える
録画動画・AI説明会・有人説明会を、質問対応や職場の見せ方、準備・更新作業で比較します。場面別の選び方、架空の営業職を使った説明と回答の完成見本、導入前に試す具体的な手順も紹介します。
AI説明会と録画動画を比較するときは、「会社の何を伝えるか」と「応募者の疑問にどう答えるか」を分けて考えると、選びやすくなります。会社や仕事の実際の様子を見せるには映像が役立ちます。決まった説明を好きな時間に確認してもらう方法としては、録画動画やAI説明会が候補になります。個別の事情を聞いて相談する場には、人が対応する機会を用意します。
どれか一つですべてを扱う必要はありません。たとえば、職場の動画を見てもらい、AI説明会で共通の質問を確認し、残った相談を採用担当者が受ける組み合わせも考えられます。この記事では、AIを初めて検討する採用担当者に向けて、比較する項目、場面別の選び方、原稿の完成見本、利用前の確かめ方を紹介します。
まず、録画動画・AI説明会・有人説明会の違いを押さえる
ここでの録画動画は、収録・編集した会社説明を、応募者が公開期間中に視聴する形式です。有人説明会は、採用担当者や社員が対面またはオンラインで説明し、質問に答える形式として比較します。AI説明会の具体的な回答範囲や利用条件はサービスによって異なります。
| 比べる項目 | 録画動画 | AI説明会 | 有人説明会 |
|---|---|---|---|
| 利用する時間 | 公開期間中に視聴 | 利用可能な時間にアクセス | 開催日時を調整 |
| 説明の進め方 | 収録した内容を視聴 | 会社説明を聞き、質問する | 担当者が説明し、対話する |
| その場の追加質問 | 別の質問窓口が必要 | 回答できる範囲を事前確認 | 担当者が対応。不明点は持ち帰る |
| 現場の様子 | 撮影した職場・作業を見せる | 実写の素材は別途用意 | 現場見学や実演と組み合わせる |
| 準備するもの | 構成・素材・収録・編集 | 説明原稿・質問集・回答範囲 | 資料・登壇者・日時・場所 |
| 内容を変えるとき | 該当箇所の編集や差し替え | 情報・設定を更新し応答を確認 | 資料を直し、担当者へ共有 |
AI Impulseの公開ページ「AI説明会」では、専用URLからAIアバターの会社説明を聞き、気になったことをその場で質問する利用方法を案内しています。24時間の会社説明に対応し、多言語での会社紹介は対応範囲を相談する形です。上の表の時間や言語などの条件を、自社が検討するサービスで一つずつ確かめましょう。
AIの説明だけでは伝わらないこともある
「工場ではどんな音がするか」「社員同士がどう声をかけているか」「接客中にどう動くか」は、文章による説明だけでは伝わりにくい情報です。AIアバターが説明することと、実際の職場を見せることには違いがあります。現場の映像、写真、見学、社員との会話を組み合わせるかを考えます。
また、応募者の事情を聞いたうえで判断する配属や勤務条件の相談は、確認済みの会社情報を説明することとは別です。説明内容にないことを確定した約束として伝えず、採用担当者へ確認できる連絡先を用意します。この役割分担は、録画動画を使う場合にも必要です。
採用の場面に当てはめて選ぶ
形式を比べる前に、応募者が今回何を理解できればよいかを一文にします。「会社全体を知る」「入社後の仕事を想像する」「条件について相談する」では、用意するものが変わります。次の表は使い分けの例であり、特定企業の導入実績ではありません。
| 利用する場面 | 伝えたいこと | 組み合わせの例 | 選ぶ理由 |
|---|---|---|---|
| 応募前の会社紹介 | 事業と仕事の概要 | 録画またはAI説明会 | 共通情報を都合のよい時間に確認 |
| 中途営業職の面接前 | 業務と研修、気になる点 | AI説明会+担当者の相談 | 共通質問と個別相談を分ける |
| 工場・店舗の仕事紹介 | 現場の動きや設備 | 職場動画・見学+質問対応 | 実際の場所や作業を見せる |
| 選考中の個別相談 | 本人の状況と希望 | 採用担当者との面談 | 事情を聞いて確認・判断する |
たとえば中途の営業職なら、共通説明で商品と担当業務を伝えたうえで、応募者が研修や顧客対応について質問する流れを作れます。一方、職場の空気感を知ってほしい場合は、AIの回答を増やすだけで解決しようとせず、実際の社員や職場を見られる情報を加えます。
公表されている取り組みでは、何を扱っているか
AI Impulseは2025年10月10日、QTnetの協力のもと、新卒採用活動で生成AIアバターを活用する共同実証の開始を発表しました。発表では、事業や職種などを紹介したあと、よくある質問やその場の追加質問に対話形式で答える構成を示しています。主な目的は、採用選考への応募前の企業理解を深めることです。
この発表は「企業紹介を聞くこと」と「自分の関心に沿って質問すること」を組み合わせた取り組みの参考になります。応募数や辞退率、担当者の作業時間がどれだけ変わったかという実測結果は、同発表では示されていません。自社で利用する際は、説明内容と案内方法を小さく試し、理解や運用を確かめます。
共通説明と質問回答の完成見本
以下は、架空の業務用機器販売会社が、中途の法人営業職を募集する設定で作った見本です。仕事内容や研修はすべて仮の設定で、AI Impulseや導入企業の実際の求人ではありません。録画とAIで同じ説明内容を用意し、どこに質問が生まれるかを比べるためにも使えます。
最初に伝える共通説明
「当社は、店舗や事務所で使う業務用機器を法人のお客さまに販売しています。今回募集する営業職は、導入済みのお客さまから使い方や買い替えの相談を受け、社内の技術担当者と協力して提案します。新しいお客さまへの提案も担当業務に含まれます。
入社直後は商品と社内の手続きを学び、先輩社員の顧客対応に同行します。その後、担当するお客さまを引き継ぎます。営業だけで機器の不具合を判断するのではなく、技術担当者に相談して対応を進めます。
この説明会では、仕事内容と仕事を覚える流れをお伝えします。気になることは質問してください。募集条件は最新の求人票をご確認いただき、配属や働き方について個別に相談したい場合は、採用担当者へご連絡ください。」
共通説明を深める質問への回答例
質問:「新規のお客さまだけを担当する仕事ですか?」
回答例:「この募集には、導入済みのお客さまへの対応と、新しいお客さまへの提案の両方が含まれます。導入済みのお客さまからの相談では、技術担当者と協力して提案や対応を進めます。」
質問:「研修は何日間ですか?」
回答例:「この説明では、商品の学習と先輩社員への同行を行うことを案内しています。研修の日数は確認が必要です。採用担当者にお問い合わせください。」
質問:「担当エリアを限定して働くことはできますか?」
回答例:「担当エリアの変更可否は、採用担当者が個別に確認します。この説明会だけではお約束できないため、採用担当者にご相談ください。」
回答例は、AIが必ずこのとおりに答えるという動作保証ではありません。設定後の確認に使う回答の見本です。正しい情報を答える質問、原稿に情報がない質問、個別に相談する質問を分けて試すと、確認すべき範囲が明確になります。
導入前に準備することと、情報を更新する運用
最初にそろえるのは、最新の会社紹介、対象職種の求人票、仕事内容、よくある質問です。資料の内容が食い違う場合は、文章を作る前に正しい情報を決めます。仕事内容は現場の責任者、募集条件はその情報を管理する担当者など、確認先も明確にします。
- 必ず伝える情報を決める:事業、担当業務、仕事を覚える流れ、募集条件の確認先。
- 回答範囲を決める:共通で答える質問と、人が確認する相談を分ける。
- 案内文を用意する:利用目的、URL、必要な期限、説明後に行うこと、問い合わせ先を記載する。
- 変更する手順を決める:誰が情報の変更を知らせ、誰が修正を依頼し、誰が実際の説明を確認するかを残す。
更新は原稿を直して終わりにせず、同じ内容を聞く質問への回答も確認します。募集職種の追加や働き方の変更があったら、求人票、案内文、録画の該当部分、AI説明会の情報を照らし合わせます。変更した箇所と確認日が分かれば、担当者が交代した際も引き継ぎやすくなります。
費用を相談する際は、原稿の整理、設定、利用開始前の点検、利用中の修正のうち、どこまでを依頼したいかを伝えます。AI Impulseの公開ページでは、説明内容と利用規模を伺って見積もりを案内しています。録画制作や有人開催も、自社で行う準備と外部へ依頼する作業を同じ条件で整理して比較します。
利用前に、応募者の立場で具体的に試す
- 対象を絞る。最初は一つの職種と、応募前・面接前など一つの利用場面を選びます。
- 共通説明と質問を用意する。上の見本のように、正答できる質問、情報がない質問、個別相談を含めます。
- 会社に詳しくない人と、情報を確認する担当者に試してもらう。分かりやすさと事実の正しさを別々に見ます。
- 実際の案内文から利用する。URLを開き、説明を聞いて質問し、次の手続きや問い合わせ先までたどります。
- 結果を記録して直す。質問、期待する説明、実際の応答、変更する内容を残します。変更後は該当する質問をもう一度確認します。
| 試す場面 | 確認すること | 問題があった場合 |
|---|---|---|
| 説明を聞いたあと | 仕事内容を自分の言葉で説明できるか | 社内用語を直し、具体的な作業を加える |
| 情報のない質問をしたとき | 推測せず、確認先が分かるか | 回答範囲と担当者への案内を見直す |
| 画面を利用できないとき | 別の説明や相談先が見つかるか | 連絡先と代わりの案内を用意する |
| 説明を終えたとき | 応募や面接へ進む方法が分かるか | 次の行動と連絡方法を明記する |
利用後は、再生や参加の人数だけでなく、残った質問、説明し直した内容、採用担当者の作業も振り返ります。取得できる記録はサービスの提供範囲を確認し、足りない部分は担当者の記録や感想で補います。最初から効果を決めつけず、説明と運用のどこを変えるか判断できる情報を集めます。
AI説明会を相談する際は、最新の求人票と、応募者からよく聞かれる質問を用意すると、自社の内容で確認しやすくなります。AI Impulseでは、資料とデモの相談をご案内しています。録画で見せたい内容、人に相談してほしい内容も合わせて整理し、採用活動に合う組み合わせを検討してください。